第65章 有村菜津美の告白

天龍グループの勢力拡大のペースは、表面だけ見ていても分からない。だが、実際の勢いは、列車が全速力で走るよりも速かった。

世間の目には、天龍グループは江北市で事業を広げているだけに映っている。けれど実際には、一年前の時点で、小山茜が密かに勢力を江海市のほか十五市へ伸ばしていた。

十五の市、そのすべてに天龍グループの支社と製薬工場がある。

ただし目立たないために、支社も工場も外向きには天龍グループ傘下だと名乗っていない。

天龍グループは徹底して鳴りを潜めてきた。

この一年は牙を研ぎ、息を潜め、ただ機を待つための時間。そして今、その機は熟した。薬が完成した瞬間、天龍グループは一気に動く。...

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